AIツールの恩恵を受ける人
少し前まで、「AIツール便利そうだけど、実際に何に使えばいいのかよくわからん。」と感じていたが、ようやく最近になって自分たちのような会社にとってのAIツールの存在価値がわかってきた。そして、AIツールの恩恵を一番受けるのは、これまでITエンジニア職ではなかったけどプログラミングの素養・ITリテラシーがある人(例:理工系学部卒業の非ITエンジニア職)だと思う。この層の能力・価値をAIツールは最大化してくれる。
利点①:ちょっとしたシステムをぱっと作れる
AIツールの最大の利点は、実務上存在する小さな不便をその場で直せることだと思う。外部に依頼するような規模の問題でもなく、そもそも依頼できるような類の問題でもない、社内に存在する極小の不便を解消するのに一役買ってくれる。
彼らが提供してくれる価値のパターンは大きく分けて3つ。
- 簡単なコードを書いて特定の作業を自動化してくれる
- ITツール間の連携方法を教えてくれる
- 直面している問題の解決パターンを複数提示してくれる
特に3番目については、「こういうルールにして標準化したらどうでしょう?」のように、言われてみればまあそうだけどぱっと思いつかなかったことを教えてくれるため、「とりあえず困っている・めんどくさいけどどう解決していいかわからない。相談する相手もいない。」という小規模事業者にとってはとてもありがたい。
利点②:「これやってみたらどうなるんだろう」が試せる
大規模な投資・膨大な時間をかけずに最小単位の挑戦ができるため、頭の中で眠り続けていたアイディアが日の目を見る機会がある。もちろん「やってみたらどうなるんだろう」というレベルのアイディアなので、それがすぐに大きな成果につながることは少ないが、頭の中にあったアイディアが現実世界にどう否定されてどの部分は肯定されるのかを確認できることはとても大事。
また、実務をわかっている人間がアイディアの具現化に携わることによって、外部業者に開発を依頼する場合と比較して細かい部分のすり合わせが不要という点もかなり大きい。「ここが一番大事だからもっと厳密にやってほしいのにな」「ここは人の手でぱっと手伝えるからこんなに労力かけなくてもよかったのにな」のような実務者と開発者の認識のずれから来るストレスがそこにはない。
現時点での限界
一方でいかに賢いAIツールといえども、プログラミングまったくの未経験者がシステムを作ったり、ITリテラシーの全くない人が業務改善を行おうとしてもまだ難しいとは思う。
- 繰り返し処理でデータセットから条件に当てはまる要素だけを取得させて…
- もし条件に合致する要素がない場合の場合分けは…
- このITツールなら、通知が来たのをトリガーにして処理を開始するのような設定が絶対できるはず…
のような発案ができないと、うまくいかなかった時の対処ができなかったり、そもそもAIツールに対する適切な質問・リクエストができないのだと思う。
このラインがどこにあるのかを見極めるのは難しいが、「社会に出てからコードを書いたりシステム開発をしたことはないけど、大学の時にプログラミングの授業あったな or 研究でちょっと使ったな」という属性の人がAIツールと合体することによって素晴らしい成果を生み出せる可能性は限りなく高いはず。
世の中の最先端を行く必要はない
事業で成果を生むために最先端のITで突っ走る必要はまったくなく、IT改善によって業界内・同業他者よりちょっとだけ効率良く運営するだけでも十分。ただし、その改善を生むためには多少のプログラミング理解とITリテラシーが下地として必要で、世の中に流れるAI活用事例(多くの場合自社実務にそのままの形で活かせるものはない)に微修正を加えながら実務に当てはめていく応用力が必要なのだと思う。
まとめ
- 中小規模事業者にとってAIツールは、ちょっとした社内システム・業務ツールを作ることができるという点で有用
- ほんの少しプログラミング経験・ITリテラシーのある人がAIツールと融合すると大きな成果を生むことができる
- 最先端ITを目指す必要はなく、業界内・同業他社と比較してちょっとだけ効率良く運営できればそれで十分
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