セルビアから注文が来てスロベニアに商品を送る

唐突なメール

先日何の前触れもなく会社の代表メールアドレスにセルビアの企業からメールが入り、具体的な型番の指定とともに商品の購入を希望する旨のメッセージが送られてきた。よくあるスパムかと思ったものの、メーカー・型番まで正確に指定されていたことに加えて、独自ドメインからのメールだったため念のため対応をすることに(ちなみにアジアの企業は独自ドメインのWebサイトを持っていてもメールはフリーメールを使っていることが結構あるのでややこしい)。

調べて見るとメッセージの送り主が名乗る会社はバルカン半島(旧ユーゴスラビア)を中心に複数拠点を持つ製造業者で、CCに入っているメールアドレスを確認しても事業実態がありそうな雰囲気がしたため、取引の流れの説明とともに圧倒的にこちらに有利な支払条件(といっても取引金額自体は極小)を先方に提示してみた。メールのCCに入っている面子を更に詳しく見てみると、製造企業と商社(無関係な企業なのかグループ会社なのかは不明)のメンバーが混在しており、ここで取引の具体性が自分たちの中でぐっと増した。

先方からのメールには「取引主体はうちら(セルビア)だけど、実際の商品はスロベニアに送ってほしい。」のような内容がむにゃむにゃと書かれていたので、とりあえず送金してくれさえすればいう通りにするよという旨を伝えたところ、翌々日くらいに請求した金額がこちらの口座に着金した。あまりにもすんなりことが進んだことに驚いたものの、支払いを受けた以上は商品を発送しない理由もないので急ぎ商品を発送。数日が経って先方から受領連絡をもらい、あっけないほど無事に取引が完了した。

事後調査:Webマーケティング

先方がどうやって自分たちを見つけたのか最初はその理由がよく分からなかったが(先方に聞いても「Googleで検索した」の一点張りで手がかりなし)、よくよく思い出せば半年くらい前に海外向けに少しだけWebマーケティングに取り組んだ時期があった。当時はEU、特にドイツを念頭においてWebマーケティングに取り組んだ記憶があるが、おそらくその施策がニアミスでスロベニアに届いたのだろうという解釈でチーム内の結論をつけた。

今回のようなパターンを、狙って出せるように体系的に順序だてて業務を実行できるようになりたいとは思うものの、今のところ何がどう効いて取引までたどり着けたのか自分たちでもよくわかっていないためもう少し同様のパターン実績を積み重ねる必要がある。

事後調査:駐日大使館への突撃

セルビア・スロベニアと、今まで意識したことのなかった国からの問い合わせだったため、何かチャンスがあるのかも知れないと思い両国について調査。机上の調査ではよく実態がわからなかったため、バルカン半島各国の駐日大使館に押しかけて色々と教えてもらった。冷静に考えると非常に迷惑なことをしてしまったが各国大使館ともに丁寧に対応してくれた上に、現地に駐在している日本大使館の経済担当者を紹介してもらい現地の情報を教えてもらうことができた。

特にスロベニアについては安川電機やダイヘンが現地に生産拠点を持っており、今回もその関連での注文だった可能性が高い(取引した商品は安川電機関連)。スロベニアはEUの田舎を自認(?)しているらしいが、EU企業の研究開発・生産拠点が多くある安定した国とのこと。ネットや書籍では手に入らない情報を短時間で教えてもらうことができてとてもありがたかった。

まとめ

  • 神奈川のパソコンから発信した情報がバルカン半島に届いて取引が成立することがある
  • 投下時間・商品量を増やせば再現性のあるものになるかどうかは現状不明
  • 知らないことは恥をかいたり迷惑がられたりすることを気にし過ぎず聞いた方がいい

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