0の状態から1か月弱でタイの新規顧客が獲得できた話
中長期的な目標として「外貨を獲得できるようなチームになる」を掲げている弊社ですが、先日めでたくタイ企業との初取引を行うことができたので、海外顧客開拓のポイントだと感じた点を掲載します。
この記事は、特に弊社求人への応募をご検討いただいている求職者の方により具体的に業務内容をイメージしていただくために公開をしています。本記事を読んでご興味をお持ちいただけましたら、是非求人応募フォームよりお問い合わせください。応募するかどうかを決めかねているという方向けに個別の会社説明も承っております!
事の発端
以前から「海外市場」と考えた時、「まあ、まずは中国に…」となんの根拠もないざっくりとしたイメージを持っていましたが、3月末に訪問した中国深圳の展示会(https://global.iteschina.com/)で中国現地の製造業がその規模感や集約度の点で自分たちの想像していたステージとはまったく違うステージにいることを実感。
帰国後慌てて方向修正を試み、今度は統計や一般に公開されているレポート等を数点読むという、これも非常に心もとない根拠をもとに今度はタイに照準を合わせたのがゴールデンウィーク前後の出来事。
商社を介した紹介や現地展示会への出展も勧められたものの、もしうまくいかなかったときに施策が失敗だとわかるまでの時間が結構長いと判断したため、まずはWebマーケティングで小さく始める方策を採用した。
メンバー構成
- これまでタイと関連する業務を経験したことのあるメンバーは0人
- 前職で海外取引の経験があるものが1人
- タイチーム(担当者1名、管理者1名)をその場で急造して取り組みを開始
海外向けWebマーケティングを行う上で気を付けるべきだったこと
以前から暇ができれば海外向け、主にWebマーケティング(今振り返るとこう表現するのも憚られる内容)には挑戦をしていましたが、今回の事例で重要だったと判明した点は下記の通り。
現地の人が使用しているプラットフォームを使用する
「スマホ・アプリの使用率が高いとはいえ、toBの商材だしとりあえずメインの流入はWebサイトだろ!」と決めつけていましたが、この安易な考えでこれまで非常に多くの時間を浪費してしまっていました。「最早Webサイトとかではないよ」という資料や助言も無限にあったとは思うのですが、「まあ…、とは言ってもね?」という特段理由もなく間違った選択をしてしまってきたため、今後はとりあえず一般的に言われていることから試してみるようにしようと思っています。
今回の事例で言うと集客はSNSをメインとして、メッセージアプリもタイ市場用にLINEアカウントを用意して対応する体制を取りました。
英語ではなく現地語で運用する
「海外と取引したいやつだったら英語で情報収集くらいするだろ!」というこれもまた勝手な決めつけをしてきましたが、英語で発信したところで集客段階でこちらの情報が届くのは母国語が英語の人のみ、という結論に達しました。
信頼の観点から、不自然な現地語よりは正しい英語の方がいいのではないか、という見方もありましたが、結果として出てきた反応率で言うと仮に不自然であったとしても現地語で運用する方が各段にいい数字が出ています。私個人が消費者として見る時は、不自然な日本語があるとそれだけで忌避してしまいがちでしたが、従業員に聞いてみるとあまり気にならないとのこと、言語が自然な表現であるかどうかはあまり重要ではないのかも…。
綺麗に編集・加工した素材は反応率が悪い
これについては理由がはっきりとわからないのですが、結果的に綺麗に編集・加工した素材よりも事務所の隅で無造作にぱしゃっと撮った写真や動画の方が多くの反応を獲得。
タイの人の好みなのか、プラットフォーム側のアルゴリズムなのか詳しいことはよくわかりませんが、今のところ投稿する画像に時間をかけるメリットはなさそうで、現場感の伝わる粗い画像を多用すべきだという結論に達しました。
最終的に注文に踏み切ってもらうには
対面で話す・少なくともビデオ通話で話す
こちらの会社・商品情報が出揃ってから、最終的な注文(決済・送金)に踏み切ってもらうまでの間には予想以上に大きな隔たりがありますが、この隔たりを解消するためには実際に現地に行って対面で話す、少なくともビデオ通話で顔を見せて話すことが必要、かつ最も時間・手間のコストが低いと実感しています(逆にいうと追加の営業資料とかを作成しても無駄であるケースが多い)。
実際ビデオ通話でも十分であるケースが多く、話し言葉で正確に意思疎通ができなくても、また、話す内容が特段なかったとしても、「ハロー、こういう事務所で働いてるよ」「請求書を送るのこの人だからね」と本筋とは関係のない周辺情報含めて自分たちから開示してあげることは結構大事。
相手方が決済・送金ボタンを押すかどうか、最後の最後のところは「まあ、あいつちゃんとしてそうだったしな」という非論理的な人間の直感によるところのものが大きいのだと思います。もちろん、これから取引企業数を増やしていく中で手にする取引実績や口コミ等武器はどんどん増えてくるはずですが、序盤の市場開拓局面では「対応する社員の持つ雰囲気」といったような属人性の高い武器で戦っていくしかなさそうだ、ということを実感しました。
結論
- チーム内に特に知見が無くても、自社の力のみで海外市場に挑戦することは可能
- 受け手の状況(言語・使用しているプラットフォーム)にのっとった情報発信をする必要がある。こちら本位の情報発信は基本無駄になるのでやらない方がいい。
- 最終的な発注・契約を獲得するためにはあらゆる手段を用いて「約束を守ってくれそう」感を伝える必要がある。
今回は初回取引ということで金額も小さいものでしたが、今後取引量を増やしながら現地にも訪問することで太いパイプを作っていこうと考えています。また、タイ以外の東南アジアの国とも同様の取引ができないか可能性を模索していく予定です。